ジョーティシュで特に理解を複雑にしているのは、星が持つ支配権というものだろう。
それは星が所有している室によって、その星の効果が大きく変わるからだ。
どの室を支配しているかによって、本来有益な星でもその室に悪い影響をもたらしたり、逆に有害な星でもとても有益な効果をもたらすこともある。
少し話が複雑になるので、実例を挙げて順序よく説明してみよう。
下記のチャートは射手座が上昇星座の場合である。
火星が第十室(仕事)に位置している場合を考えよう。
火星は、牡羊座と蠍座の支配星である。それぞれの星座には支配星というものがあり、その支配星と星座とは密接な関係があり似たような性質を持っている。
火星はエネルギーや摩擦という像意があるが、まさに火の質を持っている。
牡羊座も蠍座も同様に火の質を持っている。(勿論違っているところも多いが)
さて、星と室との関係だが、よく言われるのは、室とそのオーナーという関係にあると言われている。
オーナーであるから、その室の影響を持ち運んでいるという訳である。
つまり星自身が本来持っているその性質といっしょに、その星が所有している星座がどの室にあるかが問題になる。
そこで射手座ラグナの場合には、牡羊座は第五室になり蠍座は第十二室になるから、そのオーナーである火星は、その室の像意を持って第十室にいることになる。
では、そこから具体的にどのような解釈ができるかというと、第五室(知性・教育)と第十室(仕事・地位)とを結び付ければ、教育という仕事をする。という意味が出てくる。
一方で第十二室からの影響はというと、損失・啓発という十二室の像意と仕事という象意を関係させると精神性のある献身的な仕事ということも出てくる。
また、第十二室に海外という象意もあるので、外国と関係した仕事という意味もくみ取れる。
※第五室の象意と第十二室の象意とを結び付けては解釈しない。
この知識を使ってみると星の位置から多くの情報がくみ取れる。
ちなみに星と星座との関係は以下のようである。
自身のチャートを見て、どんな意味がくみ取れるか試してみよう。
勿論、影響はこれだけではないので、早とちりな解釈は禁物である。
一度は専門家に鑑定してもらい、正しい理解を得ることも大切であろう。
ヴェーダウエイでは、そのようなお手伝いもしているので、ぜひ活用してほしい。
星とそれが支配する星座との関係
太陽:獅子座5
月:蟹座4
火星:牡羊座1、蠍座8
水星:双子座3、乙女座6
木星:射手座9、魚座12
金星:牡牛座2、天秤座7
土星:山羊座10、水瓶座11
(数字はチャートの各室に表記されている数字でそれぞれ星座を表わしている)