近代科学が出てくる前には、人は占星術によって未来を探っていた。
未知の世界を探る手段としてそれは特別なものであった。
その対象は運命と呼ばれるすでに決まっているとされる未来の出来事であったり、世の中の行く末であったり、天災などの予則であったりとありとあらゆるものであった。
しかしその後出てきた近代科学という考え方から見るとそれは宗教的なものであったり、まやかしであるように見えただろう。
科学者のケプラーが望遠鏡で天体の動きを観測し、天体の運動法則を発見するはるか以前にインドのジョーティシー(専門家)たちは、太陽系の細かな構造を理解していたと言われている。(残っていた書籍から)興味深いことにケプラーが残した書き物の中に360度の天体図を12等分にした、ジョーティシュのダイヤグラムのチャートがあったそうだ。
科学では仮説を立て実験や観察でそれを証明して、そこから法則性を見出していくというのが一般的なステップだが、占星術の場合には古代のシリと呼ばれる人たちがその部分を済ませてしまっていたので(仮説)その知識を使って未来を予則するということが占いと呼ばれてきた。
現代の天文学のなかで、天体の位置や動きを観測した情報は、ジョーティシュでも使われているが、その解釈の部分(惑星や星座の持つ意味など)は現代科学にはないものなので、まったく別種類の世界となってしまったのだろう。
だが人類史上、いわゆる西洋科学の歴史はここ200年くらいのものであるしそれに比べて占星術は数千年の歴史があるところから見るとあながちその価値を無視することはできないだろう。 続く